ギャラクシーノート7発火・爆発
韓国・サムスン財閥のサムスン電子、スマートフォン・ギャラクシーノート7
(Galaxy Note7)の発火・爆発問題が凄い事になっている。
最近では、毎日のようにテレビで報道されており、私の見たニュースでは、中国
の販売店に展示してあったスマホから発煙しているところを必死に消化器で消して
いる映像が流れていた。
事もあろうにショップの展示品からの発煙とは・・・開いた口がふさがらないとは
正にこの事であろう。
何故日本で発売されなかったのかは知るところでは無いが、不幸中の幸いと言うと
被害者には申し訳ないか?
皆さんも覚えておられるだろうが、2006年に相次いで携帯電話やノートパソコン向け
のバッテリーに不具合が発見され、当時業界2位のソニーエナジー・デバイス社
(Sony Energy Devices 以下SED)が960万台という大規模なリコールが発生した。
また、その後、松下電池工業(現 パナソニックオートモーティブ&インダストリアル
システムズ社)に至っては、累計で4600万個と言う途方もない数の回収騒動があった。
当時のSED社のバッテリの発火原因は、製造過程で缶のロール成型行程で冶具と缶の摩擦
から発生したニッケルの微細な金属粉がセル内部に飛び散った事が原因だったようだ。
何故ニッケルの微細な金属粉が発火の原因になるかと言うと、電解液をバッテリ内に注入
した際にその金属粉が流動して絶縁部(外周)まで到達し、ニッケル粉が絶縁層を通過し
マイナス極側で再結晶化して短絡(ショート)した要因によるらしい。
原因は、バッテリーだけではないらしい
しかし、今回のギャラクシーノート7のもろもろの原因は、定かではないのだがどうも
バッテリだけの不具合ではなさそうだというのである。
そもそも9月にリコールで交換したにも関わらず、その後も同製品から発火事故を起こ
したために交換したのも関わらず同様の問題が起こる事があったためなのだとか。
サムスンのスマートフォンに詳しい携帯研究家の山根康宏氏によれば、8月19日に
ギャラクシーノート7が新発売されたのだが、その後すぐ8月の下旬から発売直後より
発火・爆発事故の報告が相次いだのだとか。
そこで、9月2日には、サムスン電子がリコールを届出て、不具合のある商品の交換を
すると発表した。
9月下旬から順次不具合品の交換が始まったのだが、10月4日には、交感後のギャラ
クシーノート7が事もあろうにサウスウエスト航空の航空機内で発火事故が発生してし
まった。
そこで10月11日 サムスン電子は、ギャラクシーノート7の生産・販売を急きょ中止
し、全製品の交換もしくは返金をする事態に発展してしまった。
ここから推測するに、交感したはずのバッテリからも発火・爆発が起こるとなれば、自ず
とバッテリだけの問題でないこと位は素人にも容易に推測できるという事なのだ。
充電回路かプログラムに問題?
9月2日当初、サムスン電子の見解として「原因はバッテリにある」と発表していたが、
先にお話しした通り、交感したバッテリからも発火事故が起きたことからバッテリだけが
原因とは到底考えづらくなった訳だ。
原因を推測するに3つの要因が考えられるのではないかと言うのだ。
1.充電回路とプログラムの欠陥
リチウムイオン電池は発熱しやすい特徴があり、ギャラクシーノート7に限らずどのスマホ
でも高熱になれば膨張して発火の原因になりやすい。
そのために過充電防止処置が施され、温度に併せて充電電流や消費電流を制御するように
なっているのだという。
ギャラクシーノート7は、このリチウムイオン電池への充電及び発熱制御部分の回路に問題
があったのではないか?
2.防水・防塵の対応に問題?
日本のギャラクシーのCMでも、「一緒に濡れようぜ!」なんて場面があったと思うの
だが、ギャラクシーノート7で初めて防水・防塵対応となった。
このおかげで、熱がこもりやすくなり高熱を発して発火に繋がったのではないか?と
いうのだ。
あちらを取れば、こちらが立たずという事か?
3.バッテリー自体が不良?
一度はリコールで正常のバッテリに交換したはずだが、急きょ対応したこともあり、
その対応を急ぐあまりに交換バッテリの一部(と言っても確率が高すぎるが)に
不良品が混じってしまった可能性を無視できないらしい。
あくまで素人的な推測にすぎないのであるが、サムスン電子ジャパンの広報担当者は
「グローバルな観点から徹底した原因究明を進めているので、現時点でどんな原因が
想定できるかはコメントできない」としている模様。
サムスンブランドの危機
サムスン電子は、2010年の売上高が韓国のGDPの22%を占める最大にして韓国
の象徴ともいえる優良企業であり、世界ランキングも13位、そしてアジアでは
トヨタ自動車に次いで2位の座にいる。
そして、今後の重要商品として大事に育て上げてきたのが、このスマートフォン
ギャラクシーシリーズなのだ。
そのギャラクシーノート7の製造・販売中止の影響により、2016年7~9期の
連結営業利益が2.6兆ウォン(約2400億円)に下方修正をした。
ここで問題になるのが、将来にわたる基幹商品に問題が生じた事にある訳で、
おいそれと簡単に製造・販売を中止すればよいだけじゃないことなのだ。
サムスン電子は、世界のスマートフォンのシェアが第一位であり、スマホの
代名詞としてアップルと長年競り合ってきた経緯がある。
今回の事件は簡単に見過ごすことのできない重要な事件であり、今後のサムスン
ブランドを維持する為にも、ギャラクシーノート7発火事故の原因究明は、徹底
して究明することが必要である事は間違いない。
今後の同社の成り行きを注目するしか今はないのかもしれない。
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