あなたの血液は何型?
A型の人は几帳面でB型の人は気まぐれな人が多い。
O型はおおざっぱな人が多くてAB型の人は個性的・・・等々
テレビやインターネットそして特に女性週刊誌などでは、血液型による性格診断を紹介した番組や記事をちょくちょく見かける。
特に女性は、血液型の性格診断に限らず占いを信じている人がかなり多くいるように思える。
日常会話でも、「もしかしたらあなたは、〇型でしょ」とか「ああ~、やっぱり〇型なのね」なんて会話がごくごく普通に交わされているから、その診断を信じている人は相当いるのではないかと思う。
まるで、それぞれの血液型には固有の性格やキャラクターが存在しているかのように信じられているし、当たり前のように決めつけて話をしているのではないだろうか?
しかし、当然と言えば当然なのだが、実際には血液型と性格の関係には、科学的にはなんの根拠も確認されてはいないのだ!
多くの研究者たちは「確実な証拠となるようなデータは無い」としており、その関連については認めてはいないようだ。
また、心理学的な立場からみても、2014年に実施された日本とアメリカにおける1万例以上の社会的調査データから分析をしても血液型と性格との間には意味のある因果関係は存在しないという事が証明されているのだ。
信じているのは日本と韓国だけ
そもそも血液をA,B,O,ABに分ける血液型分類が流行っているのは、全世界ひろしと言えども日本と韓国くらいしかいないというからこれまたビックリしてしまう。
当然と言えばそうなのだろうが、そもそも種々多岐にわたる人間の性格をたった4つの血液型に分類してしまうのも乱暴といえないだろうか?
人間ってそれほど単純な生き物ではないはずだ。
だから、ヨーロッパやアメリカでは老若男女、年齢、性別問わずなんの興味も持たれていないのが実情であり極当たり前のことだと思われる。
日本は特に異常?
出典:http://amenities-news.com/wp/wp-content/uploads/2014/07/wpid-20140719-OYT1I50026-L.jpg
日本で血液型による性格診断やその相性分析に火がついてブームになったのは、1980年代からだという。
テレビはもちろんの事、レコード、コマーシャル、そして書籍などで血液型に関連した作品が次々と発表され、一気に世の中に広まったようだ。
皆さんも覚えておられるかもしれないが、ねつ造で当時話題となったテレビ番組「発掘!あるある大事典」を皮切りに地上波アナログ放送では、2004年2月からのたった1年間だけでも、おおよそ70本もの血液型分類の性格関連に関する番組が放送されたというのだから、いかに当時世の中の関心が異常に高かったが良く分かるというのものだ。
5日に1度はどこかのテレビ局で放送されていた事になるからビックリしてしまう。
いじめや差別などの社会問題に!
そして、今でも広く浸透している血液型性格分類は、社会的な問題にも発展している事はご存じであろうか?
血液型による偏見から、学校や職場などでイジメや不当な差別にまで発展しているようだ。
何かにかこつけてイジメの対象にして喜んでいるのが学校に限らず、社会においても発生していることはかなり深刻な問題と言えるのではないだろうか?
近年では、この様な血液型によって人の性格を判断して相手の方を不安や不快な状態にさせてしまう言動の事をブラッド・ハラスメントと呼ばれているほどなのだ。
そして、少し行き過ぎの感もあるかもしれないが、企業の採用試験の応募用紙に血液型の記入欄があったとして労働局から改善命令の指導を受けた企業まで出てきているのがじつじょうのようである。
昔のようなおおらかさなどで片づけていた事でも、個人情報の問題やら○○ハラスメントなどと決めつけられてしまう世知辛い世の中になったものだとつくづく感じてしまうのは、私だけだろうか?
血液型によって知らず知らずのうちに、他人を傷つけいる場合もある事を肝に命じながら楽しんでもらいたいものだ。