私の友人はここ10年程前から生活の為と健康維持の両立を兼ねて新聞配達をしている。
その彼の体験した不思議な話をしたいと思う。
彼は、10年前頃より自らが経営していた衣料品店の売り上げが大型店の攻勢で芳しくなく
じり貧の状態が続いていた。
そこで、以前より知り合いから頼まれていた新聞配達をすることになった。
朝早起きする事には慣れていたし、最近は特に年のせいか自然と目がさめる事もあったり
朝のすがすがしい時間に身体を動かすことで健康にも良いと思い決心をしたのだった。
そして、配達の終わった後は、近道と称して近くのお墓の中の一本道を散歩も兼ねて歩いて
帰る事が度々あった。
最近は、朝5時頃ともなると散歩をする人もちらほらといて、お墓と言ってもそのような
散歩に利用する人が通るのでさほど気味の悪い事は考える事もなかったのだ。
しかし、人から聞いた話だと時々散歩している人の中にはどこがどうと言うのではないのだ
けれど、どことなく首をかしげたくなる人物に遭遇する事があるという人もいた。
どうやら霊界の御仁方も我々現世の人に交じって散歩をしている様なのです。
その彼が先日茶飲み話にふと話した事がありました。
話を聞いた半月ほど前の事だったのですが、いつものように新聞配達の帰り道例によってお墓
のなかの一本道を少し速足で散歩がてらに歩いていると、ふと中年のおばさんが散歩をしてい
るのを見かけたのです。
夜明けも少しづつ遅くなってきた頃だったのですが、何気にその人を見るとあろうことか首か
ら上がありません!
ぎょっとしながらもその女性は遠ざかっていったので、慌てて小走りにその場を後にしたので
すが、怖いもの見たさにふと振り返ってみるといるはずのその女性の姿はすでにそこにはいま
せんでした。
そんな不思議な薄気味悪い体験のあった翌々日、彼は交通事故にあい車にぶつけられてしま
ったと言うのです。
不注意だった彼にも非はあったらしいのですが、その相手の運転手が言うには、彼の姿が全く
見えなかったと言うのです。
幸いなことに接触事故であったために多少の打撲程度の軽症で済んだのだそうですが、続き
があると聞いて何か因縁めいたものを感じたのです。
それは、その事故からまた数日後の事だった様ですが、今度は彼の運転する車であわや大惨事
となるところだったと言うのです。
原因を聞きますと、カーブを曲がりながらアクセルから足を緩めた途端にスーっとエンストを
起こしてしまいそのままハンドルがきれなくなってしまったらしいのです。
当然のことながらエンストしたために、ハンドルもブレーキも効きが悪くなって対向車線に
はみ出したところ車と接触事故を起こしてしまった訳なんです。
あとコンマ何秒か早かったら正面衝突はさけられず、彼はこの世にいなかったと震えながら
話していました。
そして彼は一言こう言ったのです。
「思い過ごしと言われるとそれまでなのかもしれないが、自分にはあの首なし女の事が頭
から離れないんだ」・・・と
楽しんで頂けましたらポチっと押して頂けると励みになります。
雑学・豆知識 ブログランキングへ