【怪奇ミステリー】奥さんの病死と彼の見た者の因果関係はあるのか!?実話集

名古屋の友人が久しぶりに我が家に遊びに来た。

彼は、昨年奥さんを58歳で亡くし、今は一人で暮らしている。

昨年の奥さんの葬儀に出席したころは、どの様にお悔やみの言葉をかけてあげようかと

戸惑うほどにやつれており、彼自身の健康まで心配したものだった。

その彼が久しぶりに訪ねてくれるとの一報をもらったと時には、心の底に溜まっていた

わだかまりがふっと消えた様なうれしさを感じたものです。

奥さんの葬儀以来ではあったが、その時にはお焼香だけでそそくさと失礼したので、

こうして相対で酒をかわすのは、本当に数年ぶりの事だった。

酒が進むにつれて、彼の口も滑らかさを取り戻し、学生時代の思い出や友人の話などで

ひとしきり談笑したころだった、彼がふと寂しそうにそっと話始めた。

彼が名古屋で住んでいたマンションを引き払ったと言うのだ。

その訳を聞いて背筋がゾクっとしたのを私は感じた。

実は奥さんのなくなる数カ月前の事だったと言う。

奥さんが少し体調を崩したと言う事で近くの病院に検査入院をした日の夜のことから話は

始まった。

一人寂しく夕飯を済ませた彼は、その日の新聞を読もうとリビングのソファーに腰かけて

新聞を持ち上げた時だった。

ソファーに座った正面には、ベランダに続く大きな窓があるのだが、新聞越しに白いものが

スーっと横切って隣の部屋の方に消えたように見えたのだ。

「今頃変だな?」と思いながら窓を開けてあたりを見ても当然そこには誰かがいるはずも

ない。

また、隣の部屋を見渡しても、今日は奥さんは入院したのだから他に誰かがいる訳もない

のだ。

彼には誰かが白衣でも着ているように見えたらしいのだ。

しかし、先に話した通り誰もいないのだから「気のせいか?」と自分に言い聞かせそれ以来

その事はすっかり忘れていたのだと言う。

それからひと月ほどたった頃のこと、奥さんの症状がいっこうに改善しないので再度病院に

出かけた日の午後の事だったのだそうだが、やはりまた依然と同じ事が起きたのだそう。

今度は、その白い布が人に形をしている事がハッキリと分かったと言うのだ。

慌ててベランダと隣の部屋を探してみたのだが、以前同様誰もいなかったらしいのだ。

奥さんの体調不良からそれが末期の膵臓癌だと分かったのは、それから数日してから

の事だったようなのです。

そして僅か二月足らずで足早にこの世を去ってしまったのだそうだ。

彼が見たあの白い布が一体何だったのかは、今でも謎のままなのだそうだが、彼は

それを機に、マンションを出たのだと言っていた。

思い出の詰まったマンションではあったが、あまりにも寂しい思い出しか思い出さない

状態から早く立ち直りたかったのだそうだ。

今は、元気になってこうして我が家を訪ねてくれただけで私は満足なのだが、一体あの

白い布の正体は何だったのだろうか?・・・と少しは気になっている。

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